51: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:45:05.17 ID:KbV+n1UD
『幼馴染は変わるor変わらない?』 

「ありがとうございました、ジュード先生!」 
「はい、お疲れ様」 

律儀に腰を折ってお辞儀する生徒達。 
白衣に身を包んだジュードはにこやかに応えると、退出する生徒達の背中を見送った。 

『慣れない事は肩が凝る』 

そう思いながら椅子に深く腰を掛けると、ジュードはようやく溜まりに溜まりきった緊張を吐き出す。 
そして、先程の生徒達の真剣な表情と眼差しを思い出すと、自然と笑みが零れるのだった。 

『源霊匣の話を聞かせてください』 


引用元: テイルズのエロネタないんかね?37


そう言って、研究所に大人数で押し掛けてきた生徒達にジュードは最初こそ戸惑った。
だが、講義を聞く生徒達の熱意のある姿勢とそのやる気にジュードは感化され、
気が付いた頃には舌を回して熱く弁を振るっていたのだった。
それを思い出すと、今になってジュードは顔を赤らめる。

(まさかタリムの生徒に講義する日が来るなんて………)

思いも寄らぬ出来事に、ジュードはどこか浮ついた心地になる。
そして、何よりも自分の考えに共感する者が、着実に増えている事に胸を満たすのだった。

『今まで右往左往に走り回った自分の努力は、決して無駄ではなかったのだ』

それを確かに実感したジュードは、頬を緩ませては体を椅子に沈み込ませ―――
「!!?」
―――ようとした瞬間、突然頭を掠める風に驚いて飛び上がった。
振り向けば、机の上に一羽のシルフモドキ。
目を丸めるジュードに首を傾げると、暢気に羽を啄み始めるのだった。
「あ、ああ…手紙…かな。誰からだろう?」
風で掻き揚げられた前髪を手櫛で整えつつ、シルフモドキの背中に括りつけられた手紙を手に取る。

『ジュードへ』

…っと書かれた宛名は驚くほど乱雑で、その中身もまたお世辞にも美しくはなかった。
そんな文面にジュードは宛先を見る間でも無く、これを書いた主は『レイア』であると推測した。
何年経っても変わらない幼馴染に苦笑を零しつつ、その手紙を読み込んでいくジュード。
他愛も無い挨拶に、他愛もない近況報告。
やっぱりいつも通りの手紙じゃないか―――と思ったのも束の間。
「!?」
最後に締めくくられた一文を目にした瞬間、ジュードは目を大きく見開かせる。
そして―――気が付いた頃には鞄を掴んで研究所を飛び出していたのだった。


52: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:45:28.87 ID:KbV+n1UD

「あれ? ジュード、帰ってきたの!?」

息を巻いて宿屋に飛び込んできたジュードを見つめると、レイアは不思議そうに目を瞬かせる。
膝に手を付いて、肩で息をする幼馴染の姿は、とても里帰りと洒落込んで来たようには見えなかった。
「とりあえず、お父さんとお母さんを呼んでこよっか? 今ちょうど庭に居るから―――」
「そ、その前に! ひとつレイアに聞きたい事があるんだけど…!」
「えっ!? な、何…?」
どこか切迫めいたジュードの表情にたじろぐと、レイアは肩を縮めて俯く。
その様子にハッと息を呑んだ後、ジュードは一度強く唇を噛み締めては叫ぶ。

「お見合いするって本当!!?」

ル・ロンドの風は今日も穏やかだ。
隣の家から届けられるパンの匂いも
海から流れる微かな潮の匂いも
何もかもが懐かしい。
そして、どんなに遠くに離れていても
身に染みた物は離れないのだとジュードは思った。
「………………」
だが、窓を開け放って空を眺める幼馴染の後ろ姿だけは………
妙に遠く感じるのだった。
「なんかバタバタしちゃってごめんね。ジュードが来る時に限って、部屋が散らかってるから」
「ソレ、『いつも散らかってる』の間違いじゃない?」
「あっ、ひどいなー…それじゃあ、私がずぼらみたいじゃない」
心外だとばかりにむくれると、両手を腰に当てて立つレイア。
ちょんっとジュードの鼻先を指で小突くと、悪戯っぽく微笑む。
「大体、手紙の返事を書かない人にとやかく言われたくないですー。
ジュードってば、そういうとこ不真面目なんだよね」
そして、可笑しげに声を立てて笑うと、極々自然な形でジュードの隣に腰を掛けた。
そのいつも通りな笑顔といつも通りの言動に、なんら違和感なんてモノは無い。
だが、何故かジュードの心は言い知れぬ不安に見舞われるのだった。
「その…確かに、手紙の事はごめん。だけど、そうじゃなくて―――」
「お見合いの事でしょ?」
「!?」
「わかるわよ………だって、幼馴染だもん」
プラプラと足を振ると、レイアは天井を僅かに仰ぐ。
いつもなら決まっておどけた様子を見せるその横顔も、
今日ばかりはどこか真面目くさった色を滲ませていた。
「その…ほら、私さ看護師止めてお店の手伝いをしてるだけでしょ?
お父さんもお母さんもいい歳した娘がフラフラしてるのが心配なんだって」
「だから………お見合い?」
「うん。『良い人に会って刺激を受けてこーい』ってね。なんか荒療法じゃない?」
そう言って、無邪気な笑みと共に首を傾けるが、
「………………」
ジュードは上手く笑って返事をする事が出来なかった。

あんなに近くて、当たり前に居た幼馴染。
だけど、子供の時のようにいつまででも一緒には居られないのだ。
そう思った途端、ジュードの胸はひどく痛むのだった。


53: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:47:06.51 ID:KbV+n1UD
「レイアは…どうなの?」
「うん?」
思わず零れた言葉は、情けないほど掠れていた。
それに気付いたジュードは、慌てて咳払いをして誤魔化すと、
「お見合いの事…どう、思ってるの?」
さも平素であるかのように振舞うのだった。
「うーん、そうね…最初は嫌だったかな。だって、自分の事は自分で決めたいでしょ?」
レイアは持て余すように両膝を抱えると、ユラユラと体を揺らしてみせる。
「だけど…私、そういう縁とか運とか無いから。
そういうのに頼らざるをえないかなぁ………なんて」
そして、どこか自嘲めいた笑みを浮かべては微かに睫毛を伏せた。
「そう………」
講義で大きく回したはずの舌はいつの間にか固く硬直し、
ようやく絞り出した言葉もすぐに重りのように下へと落ちていく。

僕は一体何の為にここに来たのだろう

今更になって、ジュードはそんな疑問を持つ。
お節介にも『頑張って』とでも言いに来たのだろうか
『お見合いなんて良くないよ』とでも言いに来たのだろうか
それとも自分は―――
「………!」
一瞬頭を掠めた言葉に慌ててジュードは頭を振る。
それは決して触れてはいけないことなのだ。
だって、それは―――とても身勝手な事だから。
そう自分に言い聞かせて、ジュードは胸の内から溢れそうになったモノを無理やり押さえ込む。

気付いてはいけない、知ってはいけない、理解してはいけない

だが、その瞬間―――ジュードはひとつの事に気付いてしまった。
自分はレイアの事を何もかも知っている。
だけど、自分はレイアの気持ちを何一つ理解していない事に
何一つ理解しようとしなかった事に
彼は気付くのだった。

いつも傍に居て、いつも追いかけて、いつも待っていてくれる

それを常に当たり前だと片付けていた自分の愚かさと、
掴んでいなくても離れはしないと言う思い上がりにジュードは突然吐き気を覚えた。

「ね、ねぇ…どうしたの? 顔、青いわよ」
心配そうに顔を覗きこむ、大きな目。
その深い深い緑の瞳に映る自分の姿を見た途端―――
「ッ…ごめん!!」
耐えきれなくなってジュードは部屋を飛び出した。
後ろで呼び止める声すらも振り切って
がむしゃらに走って走って走った結果―――

「ちょっと待って!!今、階段が壊れてるから走ったらあぶな―――きゃあぁッ!!?」

ジュードの視界は大きく暗転するのだった。



54: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:47:42.01 ID:KbV+n1UD
「それで…今日、宿屋休みだったんだ………」
「うん…もしお客さんに怪我でもあったら大変だから………」

頭に乗った氷のうに、パタパタと扇がれる風。
心配そうにこちらを見下ろすレイアに、ジュードは思わず顔を顰めた。
それはズキズキと痛むコブによる所も大きいが、それ以上に―――
勢い込んで部屋を飛び出た上でのこの失態。
レイアからすれば、ジュードの行動は奇々怪々である事に他ならない。
それを考えると、顔から火が出る所か、顔が溶けてしまいそうなほどの恥ずかしさにジュードは悶え苦しんだ。
「氷、もうだいぶ溶けてきたね。換えてこよっか?」
そう言って、伸ばす白くたおやかな手と記憶の中にあったはずの傷だらけな手。
その明らかな違いにジュードはドキリと胸を弾ませると、
「い、いいよ! もう平気だから!」
思わず後ずさってレイアの手を避ける。
そんな不可解な行動にレイアは小首を傾げて疑問符を飛ばした。
「まっ、大した怪我にならなくて良かったわね。
でも…ジュードらしくないわよ、あんなドジするなんて」
「ごめん………」
「もぉ…謝らないでよ。調子狂うなぁ~…」
氷のう…もとい氷が解けきった水袋をジュードから受け取ると、レイアは困ったように眉を下げた。
そして、思案気に二、三度自分の額を指で叩くと―――
「あっ! もしかしてぇ~…」
途端にニヤリとほくそ笑んでは、これでもかと言うほどジュードに顔を近づける。
「私の魅力に気付いちゃった?」
「ッ!!?」
絶句するジュードを余所にえへんと胸を張るレイア。
得意満面で指を振るうと、鼻高々に語り始める。
「最近はちょーっと背も伸びたし、大人っぽくなってきたし。
そろそろ私も大人の仲間入りかもね。まっ、でもジュードには関係な―――」
「そう、かもね」
「…えっ?」
レイアの素っ頓狂な声に、ハッと口を押えるジュード。
恐る恐る顔を上げれば、耳まで真っ赤にしたレイアと目が合った。
「あっ! いや、これは、違う…んじゃなくて…だから、その………!」
しどろもどろに口を動かしたり、手を振ったり
顔を真っ赤にして慌てふためくジュードだったが、
「ごめん………」
最後には頭を垂らして俯くのだった。

55: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:49:05.29 ID:KbV+n1UD
「………………」
レイアはそんな様子にキュッと強く自分の両手を握り締めると、小さく呟く。
「ねぇ、ジュード。ひとつ聞いても良い?」
「えっ…?」
「その『ごめん』って………どういう意味で言ってるの?」
「…!?」
「さっきからずっと『ごめんごめん』って言ってるけどさ………
正直どういう意味で言ってるのか…私、わかんないよ」
じっとこちらを見つめる大きな目。
その端に涙が滲んでいる事に気付くと、ジュードは息を呑みこんだ。
「大体どうしてこっちに戻ってきたの?
私がお見合いしようかしまいかなんてジュードには関係ないんじゃないの!?」
そう啖呵を切るやいなや、レイアの目からは止め処なく涙が零れ始める。
だが、それでもレイアは手で拭ってひた隠しにしようとした。
「それともいつもみたいにお節介でも焼いてくれるつもりだった?
でも…もう良いんだよ、ジュード。私はもう―――」
「そういう訳じゃないんだ!!!」
「!?」
「そう訳じゃ、ないんだよ………」
苦虫を噛み潰すような面持ちで声を絞り出すと、ジュードは痛いほど拳を握り締める。
「僕にもわからなかったんだ。だけど、手紙を見た瞬間居ても立ってもいられなくて………
気が付いたら、ここに来てたんだ………レイアに会いたくて仕方が無かったんだ!」
「ッ………」
「今更こんな事を言うのも卑怯だってわかってるんだ。だけど…だけど、僕は―――」

「君の傍を離れたくないんだ!!」

もう後戻りは出来ない
レイアへの気持ちを吐露した瞬間、ジュードはそう悟った。
だが、不思議と後悔の念はなかった。
むしろ曖昧だった靄を消し去らえた事に、清々しいとさえ思うのだった。

一体どんな顔をするのか、どんな返事が来るのか、どんな結末になるのか
例えそれが良かろうが、悪かろうが、ジュードにはもう恐れる理由にはならなかった。
覚悟を決めて顔を上げれば―――

「うっ、うぅ…ふっ、うっ、うぅ…うぅ………」

予想とは大きく反して、ボロボロと泣き崩れるレイア。
その意外な反応にジュードはどうすれば良いのかと慌てふためいていると、

56: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:49:26.62 ID:KbV+n1UD
「ッ!?」
突如鼻を掠める甘い匂い。
それがレイアの抱擁によるものだと気付くと、ジュードは何とも言えない感情に胸を焦がした。
「ほんとに…ほんとに、卑怯…なんだから。人が折角覚悟を決めた所だったのに………
ジュードには…もう、私が居なくても大丈夫だって…思ってた所なのに―――」
「全部台無しにするんだから………!」
嗚咽を漏らして泣きじゃくると、レイアはますますジュードを抱き締める腕を強くする。
悩んで悩んで悩み続けた想い
苦しくて切なくて悲しくて
捨てようとしても、結局全て彼に持ち去らわれてしまった。
それが嬉しくもあり、同時に悔しくもあったのだ。
「どうして…いっつもジュードは、良いとこばっか…取っていくのよ…?」
「うん…だから、ごめんね。レイアの気持ちに早く気付いてあげられなくて」
「ほんとよ…ほんとに遅いわよ………」
「でも…ちゃんと間に合ったよ」
「ッ―――バカ! バカバカ、ジュードのバカ!!」
「バカって…それはヒドイなぁ…」
わんわんと泣き続ける幼馴染に苦笑を零しつつ、
ジュードはレイアの頬を撫でて、涙を拭い取る。
「レイア…もう泣かないで」
「そ、そんな事言われても―――ひゃっ!」
突然頬に落とされた口付けに、レイアは肩を飛び上がらせる。
「えっ、やっ…な、何?………ッ!?」
そして、視界に一杯に広がる幼馴染の顔に体を硬直させるのだった。
「んっ…ッ…ふぁ…あっ、やぁ…ジュード…んんッ…!?」
何度も何度も繰り返される口付けの数々
一向に追いつかない理解に目を回しながら、レイアはただただ固く瞼を閉じるしかなかった。
そして、ふわりと体が浮いたかと思えば―――
「きゃっ!?」
ポスリと舞う布団の埃。
押し倒されたんだと気付いた頃には、
微かに息遣いを荒くさせるジュードにレイアは覆い被されていた。
「えっ…じゅ、ジュード?…これ、どういう―――」
「ごめん、レイア」
「えぇ…?」
「これ以上、止まれない」
「ええッ!? ちょ、ちょって待って! 
こういうのはもっと段階とか手順とかそういうのを大切にしないといけないんじゃ―――」
「ごめん、今まで会えなかった分の反動が来てるのかも」
「ひゃぁぁ!? 理由になってないぃぃーーー!」
手際よくポイポイと服を脱がされるレイアは、悲鳴を上げて抵抗する。
だが、そこはレイアさばきの上手いジュード。
流れるような動作でレイアの反撃をかわしていくと、あっという間に服を脱がすのだった。
「あぅあぅ………」
一方、一糸纏わぬ姿にされたレイアは顔を真っ赤にして身を縮める。
まさか大人の仲間入りどころか大人の階段を上らされる羽目になるとは………
予想だにしなかった展開にレイアは溶けて消えてしまいたいとさえ思うのだった。

58: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:49:47.68 ID:KbV+n1UD
「レイア、少し胸大きくなった?」
「ちょっ!? 私の胸の何を知ってるのよ!?」
「そりゃあ…アルヴィンに撃たれた傷を治す時に―――」
「きゃあッ!? やっぱりガッツリ見てたんじゃないの!?
あんなに傷だけしか見てないって言ったくせに!!」
「そ、それは………まぁ、見たけど」
「いやぁッ、信じられない! ほんっとに信じられない!」
「しょ、しょうがないじゃないか! 治療の為には見るしかなかったんだから」
「ッ―――、もうその事はわかったから! とにかく今はこの状況を何とかして!!」
悲鳴にも近い声を上げると、レイアはぜーぜーと浅い呼吸を繰り返す。
恥やら照れやら色んなものが混じって、レイアはもはや何が何だかわからなくなっていた。
「ご、ごめん…でも、その…良いの?」
「………ダメ、なんて言えるわけないじゃん」
こんな状況に持ち込んどいてなにを今更
………っと思いながら、レイアは内心不貞腐れる。
いざと言う時に限って自分の事を気遣う彼。
遠慮なんて全て捨ててしまえば良いのに…なんてレイアは常々思うのだった。
「ッ………」
不意に肌をなぞる指先と唇。
その熱さに睫毛を震わせると、レイアは覚悟を決めるようにシーツを掴む。
ジュードはジュードでその健気な想いを十分に理解すると、
その気持ちに応えるかのように愛撫を施し始めた。
「はぁ…あっ、んっ…んッ…ッ………」
舌で首筋を撫ぜられ、指で胸を撫ぜられ
慣れない感覚に唇を噛み締めるレイアだが、その口の端からは自然と甘い声が零れ出る。
「やっ、あっ…ジュード…くす、ぐった………ひぃあ!」
筋に沿って舐め上げられたが為に上がる高い声。
また同時に零れる吐息の熱さに、ジュードの心はますます震え上がった。
「やぁ…ちょっと、そこは…だめ…ッ…だめ、だって言ってるのに………」
白い肌の上に乗った控えめな桃色のソレ。
ジュードはレイアの制止にも構わずに口を付けると、舌で弾いて弄ぶ。
その刺激にビクリと肩を跳ねると、レイアは堪らなくなってジュードの頭を抱き締めた。
「んっ…ッ…ふぁ…あっ、ああっ………!」
抓まれ、挟まれ、捏ね繰られ
二点を指と口に遊ばれ喘ぐレイアは、熱に頭を浮かせて涙を浮かべる。
時には噛まれて悲鳴を上げるも、ジュードを抱き締めるその腕は決して離れなかった。
「あっ…ッ…はぁ…はぁ…はぁ………」
不意に頭を持ち上げるジュードに首を傾げつつ、その様子を見守るレイア。
浅い呼吸に上下する胸を撫で下ろしていると、
「ッ!?」
腿を這う生暖かい感触にゾクリと腰を震わせた。
見れば、ジュードの手の平が自分の足を撫で上げている。
そして、その指が徐々に上に上っている事に気付くと、レイアはコクリと喉を鳴らした。

59: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:50:51.87 ID:KbV+n1UD
「んっ…!」
背筋を駆け上る感覚に唇を震わせるレイア。
聞き覚えの無い粘ついた水音に耳を朱くさせると、思わず目を閉じてしまった。
そんなレイアの表情を眺めていたジュードは、思い付いたように顔を寄せると、
「ふむッ!?」
そのままレイアの紅い唇を覆ってはチロリと舌で撫でつけた。
それに驚いたレイアは目を見開いて体を揺らすが、
「んッ…ふぅ、ん…んっ、んんッ………!」
全身に甘く広がる感覚に否応なしに力が抜けていく。
舌は絡め取られて、陰核を摘み取られ………
為す術が無くなったレイアはただただ全身を震え上がらせた。
「くふっ…んっ…ちゅ…ちゅく…はむっ…んっ、んっ、んっ………!」
甘く芳しい唾液を吸って酔いしれるジュードは、ますますレイアの核の芽を撫で続ける。
時折悪戯気分で押し潰しては、華奢な体がビクリと跳ね上がる様を可愛らしいと思うのだった。
「んっ…ふぁ…ちゅむ…ちゅ…んっ…ふっ…ん………」
少しずつ淡く蕩けていく緑の瞳を確認すると、
ジュードは一度細い体を抱き寄せて、囁く。
「もう…良い、かな?」
その言葉にボンッと顔を沸騰させると、レイアはあわあわと目を泳がせる。
だが、恐る恐る手を伸ばすと―――
「うん………」
背中に腕を回しては、ジュードの首筋に頬を摺り寄せるのだった。
それを十分に理解したジュードは再びレイアを横たえると、体を起こす。
一方でレイアは耳を掠める衣擦れの音に頬を朱くすると、居心地が悪そうにモゾモゾと体を揺すった。
「レイア、痛かったら無理しなくても良いよ」
「こ…ここまで来て無茶言わないでよ………」
じっと見下ろす視線を恥らうように顔を背けると、レイアはますます顔を赤らめる。
「もうここは…ガッとやって、ギャッとやって、ズババッとやっちゃって!!」
「ズババッて………もう雰囲気無いんだから」
「ど、どうせ私は空気読めてないですー」
そう言って、憎まれ口を叩くレイアだが、
その実、緊張のあまり口の中はカラッカラに干上がっていた。
緊張から早く解き放たれたい…と言うのが、レイアの本当の気持ちである。
「…………………」
それを知ってか知らずか
ジュードは黙って細い腰を掴む手を強くすると、
「ひぅッ…!?」
宛がってはゆっくりと埋没し始める。
その窮屈さと熱さに溜息を落としつつ、レイアの柔らかな肢体を抱き寄せていく。
「はッ、ああッ、あっ、あっ…ッ………!」
喉を反らして悲痛な声を上げるレイアは、チカチカと視界が瞬くのを感じた。
今何をして、何をされて、誰が目の前に居るのか
それを考えると、体は火照り、切ない気持ちに身が疼く。
だが、無理やり中を掻き分けられていく感覚に思わず喘ぐのだった。
「やッ、あッ、ジュード!…いや…ッ…やぁ…やぁ…!」

60: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:51:14.68 ID:KbV+n1UD
茶色の髪を振り乱して慄くレイアに、ジュードは自然と息が荒くなっていく。
それでもやはり目に浮かべた涙には、ズキリと良心が痛むのもまた然り。
だからこそ、ジュードは極力身から湧き出る欲求を押さえつけては、撫でるように腰を動かして様子を探った。
「あっ…あぅ…ッ…はぁ…あっ…ジュード…おねが…い…」
蚊の鳴くような声を捻り出して、腕を広げるレイア。
懇願するように見つめる瞳に、ジュードはハッと息を呑み込んだ後、
「んっ………」
その頭を抱き締めては、茶色の髪を撫で梳く。
それに応えるかのように背中に腕を回すレイアの口元には、ぎこちないがらも確かな笑みがあった。
「ん…ッ…はぁ…あんっ、あっ、あっ、あっ………!」
再び始まる交じり合いに、レイアの額からじっとりと汗が滲み出る。
首筋にかかる甘ったるい吐息に背中を震わせながら、ジュードは小刻みに腰を振っていた。
控えめだった水音も待ちわびていたのか、一層淫らに高らかに声を上げて二人を囃し立てる。
それに乗ってやらんとばかりに、ジュードは深く腰を下ろすと―――
「ひゃんッ!?」
最奥を押し上げては、先端を擦りつける。
まるでジュードを阻むようにその口は狭まるが、
「やぁっ、そこ…だめぇ…あたま、おかしく…なる…ッ………」
構わず小突き続ければ、レイアは背中を反らして喘ぐ。
そして、同調するようにきつく絡みつくその中が、ジュードの欲望を熱く滾らせた。
「いやぁ…ジュード…だめっ、だめぇ…あっ、ああっ、ああッ…!」
あまりの刺激に本能的に腰を引くレイア。
だが、それを許さないジュードはさらに体を落とすと、
「やあぁッ、ひあッ、ああッ…ッ…あんッ…あッ…!!」
より一層深く早く攻め立てた。
なじって、なぶって、こすって、せまって
ただひたすらにぶつけられる感情に、レイアはひどく気が遠くなった。
だが、触れる肌の温もりがギリギリまで彼女を繋ぎ止める。
「はぁ…あッ、ジュード…わたし…もう…ッ………」
「ああ…僕も、もう駄目…かも。だから、最後は―――」
「ッ…!?」
「このままで、良いかな…?」
ふわりと香る汗の匂いと髪の匂い。
背中に回す腕は痛いほど強く抱き締めてくるが、
「………………」
確かな実感にレイアは思わず目頭を熱くさせる。
そして、少し逞しくなった首に腕を回すと、
「………………」
黙って彼を受け入れるのだった。
「ジュード…ッ…あッ、ジュード…だい…すき…大、好き…!」
追い込みとばかりに腰を速めると、レイアの華奢な体は激しく上下に揺れる。
だが、ひしとして離さないその細腕に、ジュードは愛しさが込み上げた。
そして、最後とばかりに深く一突きすると―――


61: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:51:53.80 ID:KbV+n1UD

「あああぁッ、ッ――――――!!!!!」

ジュードの頭は真っ白に塗り潰されるのだった………

ル・ロンドの風は今日も穏やかだ。
隣の家から届けられるパンの匂いも
海から流れる微かな潮の匂いも
何もかもが懐かしい。
そして、どんなに遠くに離れていても
身に染みた物は離れないのだとジュードは思った。
そしてまた―――
「………………」
隣で顔を真っ赤にして俯く幼馴染も、一生自分の身から離れはしないと思うのだった。
「あの、レイア………」
「は、はい!!」
不自然に背筋を伸ばしては、ギクシャクとこちらを振り向くレイア。
正したはずの衣服にはチラホラと皺が残り、その額にはまだ汗が滲んでいる。
そんな様子に苦笑を零すジュードだったが、
「まだ痛んだりする?」
労わるようにその頬を撫でると、ポンッとレイアは湯気を噴き出した。
「その、えーと…こ、これぐらい平気よ! こー見えて、結構私痛いのには慣れてるんだから」
そう言って、レイアは誤魔化すように胸を張る。
「それ、結構な問題発言だよ」
「えっ? そうなの?」
だが、ジュードの指摘を受けると、出鼻を挫かれたように体を傾かせる。
その面喰った表情にジュードは噴き出し、思わず腹を抱えるのだった。
「もー笑わないでよ。失礼よ、失礼」
「ははっ、ごめんごめん。だけど、こうしてるとさ………僕達あんまり変わってないよね」
いつまでもいつまでも変わらない幼馴染
どんなに時が経っても、どんな事が起ころうとも
それだけは変わらないのではないかとジュードは予感した。
「………………」
だが、レイアはチッチッチッと指を振るうと、
「ちゃーんと変わったわよ」
チョンとジュードの鼻先を小突いては二カリと微笑む。
「大人にね」
そう言って笑うレイアに、今度はジュードが赤面する番だった。
「………………」
そして、お互いにはにかみ、頬を寄せ、顔を近づけた時―――
「レイアー!ジュード! ちょっと降りて来なさーい!!」
レイアの母親の声に飛び上がるのだった。


62: 代理投稿 2011/09/25(日) 06:52:34.51 ID:KbV+n1UD
「うわっ!? 何なのこの御馳走!」
眼前に広がるのは、御馳走御馳走御馳走の数々。
どこか生暖かい目で迎えられた二人は、目を丸くしてテーブルの上を眺める。
「今日なんかの記念日だったっけ?」
レイアは振り返って母親を見るが、その顔もこれまた嬉しそうにニコニコしていた。
「そうねぇ…記念日と言えば、記念日かもね」
そして、チラチラと夫に目配せするとさらに頬を緩ませた。
「お父さんは正直複雑だが………それでも、可愛い娘の為に応援するぞ」
…っと小さな呟きをジュードは耳に入れたが、
「………………」
何も聞かなかった事にした。むしろ、そうせざるをえなかった。
それを知りもせず、暢気に御馳走を前にして喉を鳴らす娘の肩を叩くと、母親はしみじみと呟く。
「それにしても、レイアが看護師をやめるって言った時はどうなるかと思ったけど………
円満解決したみたいでほーんと良かったわ」
「………えっ!? ちょっと待って! それ、どういう―――」
「外、まる聞こえだったわよ」
「次からはちゃんと窓を閉めるんだぞ」
そう言って、喜色満面で親指を立てる両親に―――
「………………」
レイアは一瞬にして卒倒した。


その後、ジュードが町往く人々に代わる代わる祝福されたのは言うまでもない。


【終わり】






66: 名無しさん@ピンキー 2011/09/25(日) 07:16:19.38 ID:rxG/eOEQ
>>50
超おつ
初々しい交わりがたまんね
お見合いはジュードを焦らせるための釣り餌かと思ったがそんなことはなかった

82: 名無しさん@ピンキー 2011/09/25(日) 08:46:58.52 ID:EY8Wvwj8
NG設定で今日もすっきり
>>50

88: 名無しさん@ピンキー 2011/09/25(日) 09:45:01.23 ID:oKRjVeOy
>>50
圧倒的乙ッ…
レイア可愛いなぁ

90: 名無しさん@ピンキー 2011/09/25(日) 10:01:01.49 ID:vqkb6Hca
>>50
乙!